愛犬が見ている世界の不思議。人の記憶は視覚から、犬の記憶は臭覚から。
19-09-19
【目次】
目の前のものの匂いを熱心に嗅ぐうちの子。ご存知ですか?じつは犬の目は70cm以内にあるものには焦点が合いません。もっと近くになればほとんどぼやけてしか見えません。犬が近くにある物を熱心に嗅ぐのはこのためです。
人の記憶のほとんどが目で見た視覚情報から行われるのに対して、愛犬の記憶は鼻で嗅いだ匂いで行われます。この子どこ見ているんだろうという疑問は、視覚から多くの情報を見る人間が考えがちなことであって、犬が熱心に世界を知ろうと考えている時は鼻を使います。
うちの子の世界は2色刷り
犬が識別できる色は3色、グレー、黄色っぽい色、紫っぽい色です。厳密には「赤-オレンジ-黄-緑」の範囲の色は黄色っぽく見えており、「青-紫」の範囲の色は紫っぽく見えています。
愛犬と公園で遊ぶときに、緑の芝生に赤いボールを投げて追いかけさせる姿をみかけることがあります。人の目から見るとおもちゃが目立って見えますが、犬の目からは違いがほとんど分かりません。緑の芝生との違いを色でわからせてあげるのは、紫っぽいボールなのです。
人間が犬に作ったおもちゃの多くが、犬の目から見ると間違った彩色をされていることが多いことがわかります。
夜中でもモノが見えます
犬が地球上に現れた時、彼らがメインに活動する生態環境は夜でした。愛犬の目が夜中に黄色く光ってみえる(夜行性動物の目と同様に)のは、目にはいった微小な光を可能な限り検出するためで、犬の目は人間よりはるかに多くの光を吸収することができます。
人がまぶしいと感じる時、犬はそれよりはるかに強く光りを感じています。犬の視覚は色を見分ける能力を犠牲にするかわりに、弱い光でも世界を見ることができるように発達したのです。
臭いで世界を探索する
いつでもどこでも、気になるところは臭いまくるうちの子。ものによって、犬は人間の100万倍もの違いで臭いのもとを検知します。人にとって目が世界をするためのセンサーであるのと同様に、犬にとっては鼻がセンサーであるのは、愛犬の行動をみても疑いがありません。
犬はお散歩中にいろんなものの臭い嗅いで、外の世界を知ります。愛犬の頭の中では、昨日嗅いだ臭いと、時間がたった臭いの変化、臭いを嗅いだ場所の情報などからありありと世界を知ります。
人間が目をつぶって散歩しても楽しくないように、愛犬も臭うことを禁止されると知る楽しみがなくなります。電柱にかけられたおしっこが汚いからと言って、すぐにリードをひっぱるのは目隠しをして散歩をさせるようなものなのです。