犬にもある認知症。痴ほうかな?と思ったらチェックしたい10のポイント。
20-11-04
【目次】
人と同様に愛犬にも認知症があります。以前と比べて犬の高齢化が飛躍的に進んだことで、認知症を患ってしまう愛犬も少なくありません。どんなに元気で賢かった子も、年を重ねることで脳の機能が低下してしまうことはいた仕方のないことです。
一般的には11歳を過ぎた頃から認知症を発症する可能性がでてくると言われており、これまでと様子がおかしいと感じることがあれば、まずは獣医師に相談してみることをおすすめします。
チェックしてあげたい愛犬の認知症サインとは
うちの子の普段の行動をチェックして、以下にあてはまる項目がないか確かめてください。あてはまる数が多いほど認知症の疑いがあります。
- 1、異常にご飯を食べたがるようになった
- 2、生活の昼夜のリズムが乱れており、夜泣きをするようになった
- 3、たくさん食べても太らなくなった
- 4、抑揚のない単調な声で鳴くようになった
- 5、狭い隙間に入り込むようになった
- 6、名前を呼んでも反応しないことが増えた
- 7、おもらしやトイレを失敗することが多くなった
- 8、ずっと壁や床を眺めているような時間がある
- 9、後ずさりが出来なくなった
- 10、同じところをぐるぐると歩き回るようになった
認知症は老化によって脳機能が低下し、これまで出来た様々なことが出来なっていく病気です。これまではしなかったような行動をとりはじめることもありますが、老化にともなって身体機能が低下するのは自然の流れ。認知症は治療によって完治させることはできませんが、症状を改善することは可能です。
まずは安心させてあげることから
認知症の改善には、脳に良い刺激を与えてあげるのが一番です。できるだけスキンシップを多くしてあげること。抱っこしてでも良いので外に連れ出してあげること。家族の輪の中で一緒にいてあげることが大切です。
認知症対策は「安心させてあげること」と「不安を取り除いてあげること」がセオリーです。この原則を守るだけで、症状が大きく改善することもあります。どうすれば愛犬が安心するか、長年連れ添ったうちの子だからこそ分かるリラックス方法を提供してあげてください。
満足感を与えるように間食を活用する
たくさん食べても太ったり、下痢をしないので認知症に伴う食欲異常の特徴です。ただ、一度に多くの量をあげすぎると消化しきれずに吐いてしまうことあるので、一日の食事回数を増やすことで満足感を与えてあげるのがベターです。
カラダが思うように動かせなくなった愛犬にとって、食べることが最後の楽しみになることも少なくありません。認知症にかかると我慢ができなくなります。野菜やスープなど低カロリーなものを少量づつ口にさせてあげるようにしてください。
認知症の緩和には食事も役立てて
残念ながら、犬の認知症を完治できる治療法はみつかっていません。ただ、認知症の進行を抑制、緩和、改善することができると言われる成分として、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸があります。不飽和脂肪酸はマグロやサバといった青魚に多く含まれていますが、鹿や猪といったジビエ肉にも含まれます。魚が好きじゃない子も、たいてい肉は好むことが多いので、ぜひ試してあげて頂きたい食材です。
特に鹿肉には「アセチルカル二チン」という成分が含まれており、軽度の認知機能障害を抑える、高齢者の気分変調や抑うつ症状を軽減させる、不安状態を抑えてリラックスさせるなどの効能があるので、たんぱく源の供給元としてだけでなく、認知症改善にも効果を期待できます。
アメリカではアルツハイマー病に対するアセチルカルニチンの効能研究が古くから行われており、アセチルカルニアルツハイマー病の進行を遅らせることが臨床試験によって証明されています。
頑張りすぎないのが介護の基本
大切な家族であるうちの子が認知症であることを受けいれることは抵抗があるかもしれません。ですが、愛犬の現状を踏まえて現実を受け入れ、愛犬の症状を理解したうえでできることを無理のない範囲でしてあげることが、飼い主にも愛犬にもストレスのない関係を築くことができるようになります。
頑張りすぎて燃えつけてしまわないように家族でできることを分担して、獣医師にも相談しながら愛する我が子がより良い認知症ライフを過ごせるようにしてあげてください。