犬のカラダが求める食事とは?手作りご飯のポイントについて詳しく知る。
20-11-06
【目次】
ずっと同じドッグフードだけを毎日食べさせる食事…そんな愛犬の食生活に疑問を持たれる方も多いはず。うちの子にはいつまでも元気でいて欲しいから、毎日の愛犬のご飯は手作りするという方が増えています。
欧米(アメリカ、カナダ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリア)での調査によれば、ペットの食事の全てまたは一部に手作り食を取り入れている方の割合は、2008年には犬31%、猫13%だったものが、2018年には犬64%、猫46%にまで増加しており、うちの子にはきちんとした食材を使って、安心できる調理方法で作られたご飯を食べさせてあげたいと考える意識の高まりが伺えます。
愛犬が好きなことは、お散歩に抱っこにおやつ。大好きなパパとママと過ごすのは至福の時間に、食べる喜びも加えてあげてみませんか。
愛犬の元気につながる食事のポイントとは
水分の補給
愛犬のカラダの70%程度を占めるのが水分。血流をよくし、不要な老廃物を排出するために生命を維持するために欠かせない成分です。元来、犬はのどの渇きに気づくのが遅く、ドライフードだけを食べていると水分不足になりがちなので注意してあげましょう。
血行の促進
からだに必要な栄養や酸素を体全体に届ける役割をはたすのが血液。さらに老廃物を運び去る役割も担っています。全身をめぐる血液の流れをよくすることが大切です。
代謝の向上
代謝をあげて、体温をアップさせることで、万病を遠ざけます。冷えは万病のもとと言われるように、カラダを冷やす食材を避けてあげるようにしましょう。
腸内環境の改善
腸内に善玉菌を増やすことで、排せつが健康的になるだけでなく、さまざまな病気を遠ざけることができます。最新の研究では腸内環境を改善することで、脳や精神にも良い影響を与えることが知られています。
愛犬のカラダについて知っておく
食べ物の消化の仕組みが違うこと
愛犬のカラダの仕組みはヒトとは違います。犬の歯は全部で42本ありますが、ヒトの奥歯のように食べ物をすりつぶすための歯は無く、ほとんどの歯が引きちぎったり、突き刺したりするためにあって食べ物は丸のみする傾向があります。また唾液には消化酵素が含まれていないため炭水化物の消化が苦手で、腸の長さはヒトよりはるかに短いために、口にしたものが排せつされるまでの時間もはるかに短くなっています。
身体構造から言えることは、かなり雑食よりのイメージがある犬も、実はカラダの仕組みはかなり肉食獣よりのものになっているということです。
犬が好む味について
味は舌にある味蕾という細胞で感じますが、犬の味蕾はヒトよりはるかに少なく1/5程度しかありません。そのためにさまざまな味を感じすることができず、「甘み」と「旨み」だけに特に強く反応します。さつまいもが大好きな子が多いのも「甘み」が強いのが理由です。
ただ、肉に関してはヒトよりはるかに多くの味覚を感じとることができるという研究結果があって、脂の香りと味に対してはとても強い興味反応を示すと言われています。
うちの子が喜ぶ食事とは
味よりもにおいが重要
犬がこれを食べてみようと決める大きな要因は「におい」にあります。特に好むが脂肪のにおいで、肉の脂身の香りが何よりも大好き。市販のドッグフードが油っぽいのは、食いつきを良くするために油を添加しているのが理由です。
食いつきを上げるためには、においを立たせるために少し温めるあげるのがベター。また乾燥したものよりも、少し湿らせてあげるのもにおいが強くなりますので有効です。食いつきが悪い時はごまやかつお節、不飽和脂肪酸が摂取できるのでフィッシュオイルを加えてあげるのもおすすめです。
実は好き嫌いはあまりありません
偏食するグルメな子も中にはいますが、犬は食べること自体が大好き。においが嫌いじゃなくて、「甘み」と「旨み」が感じられたらOKです。ただし、酸味は腐っている、苦みは毒されているに通じることから口にするのを嫌がります。
基本的に好き嫌いはあまりありませんので、飼い主が栄養バランスを考えて、消化しやすいように肉や魚は一口サイズで、野菜は細かくしてあげるようにしてください。色んな食材をあげることで、食事の時間を楽しいものにしてあげたいですね。
必要な食材と栄養素について
タンパク質
犬は身体維持に人の約4倍ものタンパク質が必要だと言われる最も重要な栄養素。筋肉や被毛、皮膚、腱、靭帯、軟骨、爪などの体の組織を作ったり、ホルモンや消化酵素の材料になります。
摂り過ぎた場合には腎臓に負担をかけることがありますのであげすぎにも要注意です。不足すると、筋肉の衰えや被毛のパサつき、体重の減少、免疫力の低下など様々な不調の原因となります。
脂質
効率の良いエネルギー源で、動物性と植物性があります。体温調整や体内でのビタミンの運搬、ホルモン合成などの生理機能の維持にも使われます。
オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は必須脂肪酸とされており、犬の体内では作り出せないので意識して食事から補ってあげる必要があります。あげすぎは肥満や高コレステロールの原因になるので要注意です。
炭水化物
糖と食物繊維から構成され、糖質はエネルギー源に、食物繊維は腸の健康を整えるのに役立ちます。糖質が不足してエネルギー不足になると、筋肉量の減少や免疫力の低下といった問題を引き起こすことがあります。
取りすぎると脂肪に変換されて体内に蓄積されていきますので肥満の原因となることもあります。
ビタミン、ミネラル
エネルギー源にはなりませんが、カラダの調子を整えるために必要です。バランス良く摂取できるよう新鮮な野菜やきのこ、海藻、ゴマといったさまざまな食材をあげることで補うようにします。ちなみにですが、犬はビタミンCを体内で合成して作り出すことができます。
手作りご飯のメリットとデメリットとは
愛犬のために旬の新鮮な食材をつかってつくる手作りご飯は良いことがたくさんあります。ドライフードだけだと不足しがちな水分がたっぷりで消化しやすいことから、食いつきが良くなるだけでなく、涙やけが改善した、被毛が艶やかになった、排便の臭いが気にならなくなったなどの声も聞こえてきます。
最後に愛犬に手作りごはんのメリットとデメリットをまとめてご紹介します。
メリットについて
- ・添加物がまったく入っていないので、アレルギーのリスクが下がる
- ・いろいろな食材から食べる楽しみを与えてあげられる
- ・安心できる新鮮な食材を選ぶことができる
- ・旬の食材がもつ栄養素をそのまま摂取できる
- ・水分が補給しやすい
- ・体調や好みで自由に食材を調整できる
- ・目を輝やせてご飯を待つ愛犬の姿がみれる
デメリットについて
- ・調理する手間がかかる
- ・カロリー計算が大変
- ・数日間しか保存できない
- ・栄養バランスが適切なものか判断できない